こころの知能指数

うちの孫は年中さんの5歳児。

ウルトラマンが大好きで、ウルトラマンになりきって見えない敵と戦ったり、悪者になりきって倒されたり、自分以外の「何か」になりきりひとり二役、三役を演じる「ごっこ遊び」に夢中になっている時があります。

人形やぬいぐるみを並べて、ストーリーを自分で考え、その人形になりきっておしゃべりをしたり、ひとりっ子のうちの孫は実にうまく遊んでいるなと見ていてそう思います。

大人である私たちもこの「ごっこ遊び」に夢中になった人は多いのではないでしょうか。

子供たちは人形遊びやごっこ遊びを通して「他者になりきる」ことで自分以外の誰かの感情や考えをくみ取るための「共感脳」をトレーニングしていると考えられているそうです。

「EQ=Emotional Intelligence Quotient」とは「こころの知能指数」について心理学者であるピーターサロベイ氏が提唱した新たな知性の指標となるものです。

ピーターサロベイ氏がこの研究を始めたきっかけとして社会的成功者は例外なく対人関係能力に長けている事に着目したことだったと言います。

他者の感情に気づき、適切な配慮ができる。自分や他者の気持ちを言葉にして伝えることができる。これらは全て感情の知性でありその源泉こそ「共感脳」だと言えるでしょう。

また「人の顔をよく見て話す習慣」もEQ向上にとても有用です。相手の顔を見なければ必要な情報は十分に得られなくなりますし情報を得られなければ適切な反応をすることもできません。

「目を合わせない」=「相手の感情がつかめない」ということになってしまわないよう、近しい間柄であったとしても日頃から相対する相手の顔をよく見て感情の情報収集をすることが大切です。

親子で会話をするときは、顔を向かい合わせて目と目をしっかり合わせることで子供の共感脳を鍛え、人の気持ちがわかる子供に成長させると考えて日々接していくといいでしょう。

うちの孫、生徒さんにも言えることですが、私たち大人がお話ししている時、必ずと言っていいほど子供たちは真っすぐな瞳で私たち大人の目を見ています。それはこちらがひるみそうになるくらい、恥ずかしくなるくらいの純粋無垢な真っすぐな目線を向けてくるのです。

真っすぐな目線は真っすぐなまなざしで返すのが愛情で最低限の礼儀だと思っています。